平成18年8月31日木曜日

 

セミナー(Morrison & Foerster)

モリソン・フォスター法律事務所のセミナーを聴講した。
1.Shrinking Patents, Expanding Trademarks, Tranquil Copyrights:Trends in U.S. Intellectual Property Law (Paul Goldstein, Morrison & Foerster, Stanford University Law School) 特許権の保護範囲は縮小されている。日本はプロパテントの時代といわれているが、米国では ・・・?
(1) 最高裁決定 eBay v. MercExchange(May 15,2006) 差止命令には4要件が必要。特許権侵害だからといって自動的に差止命令を下してはならない。
(2) 米国特許法改正 Pending legislation(H.R.2795;H.R.5096;S.3818(Aug. 3,206)) slowly, 電気業界と薬品業界のいずれも納得性のある相反する意見

2.Patent Exhaustion and Implied Licenses (A.Max Olson, Morrison & Foerster) 特許消尽と異なり、黙示の実施権の抗弁は、方法クレームにも明らかに適用される。当然であろう。
特許消尽理論(Patent Exhaustion:also known as the "first sale" doctrine)は、特許侵害に対する抗弁。
理論的根拠:(1)無条件の販売又は実施許諾によって、一度対価を受け取ると、特許品の使用及び再販をさらに制限する権利は失われる(「ロイヤルティの二重取り」の禁止)
(2)有形財産の所有者が当該財産を使用及び再販する利益の保護
Case 1: LG Electronics, Inc. v. Bizcom Electronics, Inc. CAFC [Jul. 7, 2006]
(1)CAFC:明確な責任の否認(disclaimer)に鑑み、黙示の実施権を認めず (2)組み合わせクレームおよび方法クレームは消尽せず
Case 2: Monsanto Co. v. Scruggs CAFC [Aug. 16, 2006]
CAFC:特許消尽/黙示の実施権を認めず
(論点)・販売や実施権にかかる条件をどれだけ制限してよいのか。
 ・再販先の購入者に対する通知は必要か?
 ・黙示の実施権が認められないような合理的な侵害しない用途を構成するのは何か。

3.Impact of the Entire Market Value on Patent Licensing and Damages (Alan Cope Johnston, Owen Murray) 特許権の保護範囲は縮小されている(上記1)が、損害賠償額は増加しているということか?
全市場価値ルール(EMVR):特定の状況においては、損害賠償額は、特許部品のみの価格に基づくというよりも、特許部品と非特許部品を包括した製品全体の価値に基づいて算定される。
目的:特許の価値が、単一の部品や製品の売り上げにとどまらずに拡張しうることを認識することにより、特許技術の経済的価値をより適切に評価して特許権者を相応に補償(?)するため。
Rite-Hite Corp. v. Kelley Company, Inc.(CAFC 1995)(大法廷判決 en banc) cf. Burying the "Equity Stake" Theory of Patent Damages(Jan. 2004:by M.J. Pernick, S. Kulkarni)
いつEMVRを使用するのが適切か?
・ 特許部品と非特許部品は共に、「単一の組立品の構成要素に相当するもの」、「装置全体の一部分」又は「機能単位(*)を構成」
(*) 特許部品と非特許部品が目的とする最終製品または成果を生み出すために一体となって機能するもの。
・ 非特許部品は特許部品と共に「通常販売される。」
EMVRが不適切な場合は?
・ 非特許部品は、特許発明との「機能的関連性を本質的には有しておらず、また・・・利便性またはビジネス的優位性のみの理由により、侵害装置と共に販売された可能性がある。」
・ 非特許部品は、「特許を得た発明に対抗するものでもなく、特許発明と共に機能するものでもない。」

機能的関連性が見られた例:
(1)スピーカにおける特許の対象である楕円形ベースポートチューブと他の非特許部品。これらは、目的とする音声機能を実現するために「密接不可分なほど共に」作用する。Bose Co. v. JBL, Inc. and Infinity Systems Co.(CAFC 2001)
(2)販売を促進するために、販売される飲料の外観を模造した特許の対象である飲料販売機と別個に販売された非特許シロップ。これらは、単一の組立品または機械全体の一部に相当する。Juicy Whip Inc. v. Orange Bang Inc. (CAFC 2004)

機能的関連性が見られない例:
(1) Rite-Hite Corp. v. Kelley Company, Inc. (CAFC 1995)
特許の対象である車両保護装置と非特許ドックレベラー。これらは一つの結果を実現させるために一体となって機能したわけではなく、共に使用されたとしても、それぞれが個別に効果的に使用できる可能性がある。
(2) Riles V. Shell Exploration and Prod. Co.(CAFC 2002)
特許の対象であるマッドマットを使用せずに海底石油掘削装置を固定する方法と石油掘削プラットフォーム全体。
(*) If you can't beat 'em, join 'em. 長いものには巻かれろ

4.Rethinking Reexamination(D. L. Fehrman, Morrison & Foerster) 2005年7月の再審査手続き変更後、再審査の人気が高まっている。USPTOの変化として、(1)再審査専門の新しい審査部の設立、(2)再審査の質の向上、(3)迅速な審査(2年以内)などがある。

平成18年8月19日土曜日

 

弁理士の仕事

フジサンケイビジネスで連載されている。近い将来、弁理士の数が1万人を超えるであろう。しかしながら、企業における特許の出願は厳選され、件数は決して増加しない。したがって、特許事務所の存続のためには従来のような単なる出願業務からより広い役割を担うことが必要である(いわゆる、知財コンサルタントなど)。 しかし、新しい役割を得意としない弁理士が多いと考えられる。ここにビジネスチャンス(差別化)はあると考えている。
弁理士の仕事()()(

平成18年8月3日木曜日

 

外回り

今日は有意義な一日であった。
1.黒田精工株式会社 ナノメトロの登録商標を保有する。
2.ALAXLAネットワークス株式会社
3.AGF本社 法務・CSR推進部 ・・・ 「CSR」:
Corporate Social Responsibilityの略。「企業の社会的責任」と訳す。企業を社会の一員とみなし、コンプライアンス(法令順守)はもちろん、環境への配慮、雇用の確保、適切な情報開示、社会貢献などを要求する考え方を一般に指す。顧客や株主だけでなく、社員、取引先、地域社会といったステークホルダー(利害関係者)の要求を満たす“良い企業”であることを企業に求める。
4.商品・技術開発研究所 どこに行っても「newpon」の意味について聞かれる。残念ながら、いい説明がない。単なる造語である。「newton」もありか?
5.高田馬場特許事務所 「3年我慢すること」貴重な提言である。
6.TMI総合法律事務所 今年の10月頃から1フロア増やすという。依然として勢いがある。


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